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ネットメディア覇権戦争 偽ニュースはなぜ生まれたか 藤代裕之 [ノンフィクション]

「フェイク(偽)ニュース」という言葉が世界を駆け巡り始めたのは、昨年(2016年)の米大統領選がきっかけだ。「ローマ法王がトランプを支持した」「反トランプデモの参加者は現金を受け取っている」―。こうしたニュースはすべて作り物の記事だが、結果的にトランプ大統領誕生を後押しした要因の一つになった。日本でも昨年11月、大手ネット企業のまとめサイトに「肩こりの原因は幽霊」などと書いたでたらめ記事が大量に流れていたことが分かり、運営会社が陳謝に追い込まれた。

ネットジャーナリズムの第一人者の筆者がこの本を執筆したのも、デジタル化に伴うニュースの質の劣化を問題視したためだ。

古今東西、デマや流言は古くからあり、口コミで拡散されていった。筆者はフェイクニュースがなぜ生まれたかを豊富な業界知識を駆使して解説する。それを一言で言えば、ヤフーを代表する「プラットフォーム」と呼ばれるニュース流通基盤の登場が大きく関与している。

かつては新聞社が読者へ質の高いニュースだけを届けてきたが、デジタル化の時代にその流通の役割をプラットフォームが受け持つようになった。当初は「うちは新聞社の記事を届ける新聞配達少年に徹する」と言っていたのが、自らもコンテンツをつくるようになり、責任の所在があいまいになった。その間、プラットフォームと称するサービスはいくつも生まれ、玉石混交のニュースを生み出す温床になっていく。そしてついに「誰も責任を持たない荒野のような状況」が生まれたのである。

SNSの影響も見逃せない。自分が好む話題や意見が増幅され、他者の意見を受け入れなくなることで、フェイクニュースがはびこる環境が生まれた。

ニュースはわれわれの生活の糧である。心地よくても健康を害する糧であれば、口にしないに限る。その目利きを鍛えないと、われわれはうまく生きていけない。そんな時代なのだろう。

ネットメディア覇権戦争 偽ニュースはなぜ生まれたか (光文社新書)

ネットメディア覇権戦争 偽ニュースはなぜ生まれたか (光文社新書)

  • 作者: 藤代 裕之
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2017/01/17
  • メディア: 新書



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